【各学年に求める「真のアスリート」への課題】
こんにちは。BBクラス担当の金子です。
新緑が眩しい季節となりました。今月のブログでは、ゴールデンウィークの恒例行事となっている「ステップアップキャンプ(合宿)」についてお話ししたいと思います。
山梨県の豊かな自然に囲まれた中で行われるこの合宿は、私たちのチームにとって単なる技術向上以上の意味を持っています。美味しい食事、無限におかわりが出てくる宿舎の温かさ、そして男女分かれて集中して打ち込める素晴らしい体育館。恵まれた環境の中で、選手たちが何を感じ、どう変わろうとしたのか。コーチの視点から振り返ります。
私たちのクラブが合宿を行う最大の目的は、技術の向上だけではありません。根底にあるのは、チーム理念である「人間性の育成」です。
通常、拠点とする体育館では時間の制約があり、練習以外のコミュニケーションを図ることは容易ではありません。しかし、合宿という「生活を共にする場」では、選手の日常がすべて「習慣」として露呈します。
・朝、自ら決まった時間に起きられるか。
・体を動かす源となる食事を、しっかりと完食できるか。
・酷使した体のケアを怠らないか。
・時間を予測し、効率よく次の行動に移れるか。
・誰もが嫌がる準備や片付けに、先回りして気づけるか。
厳しいようですが、これらが「当たり前」にできる選手は、バスケットボールの技術も間違いなく伸びていきます。そして、これらの習慣は、将来彼らが社会に出たときに、どのような場所でも活躍できる「基礎体力」となるのです。
1年生にとって、今回は初めての合宿でした。トライアウトを通過したとはいえ、現時点ではポテンシャル(将来性)を評価しての合格です。正直に言えば、上のレベルで戦うための基礎技術は、まだほとんどの選手が足りていないのが現状です。
彼らの最大の課題は「オフコート(コート外)」の過ごし方にありました。
移動のバスを遠足と勘違いして騒ぎ、休息を必要とする先輩への配慮を欠く。練習中の説明時におしゃべりをしてしまう。食事の面でも、アスリートとして必要な量を食べきれず、普通の弁当すら残してしまう選手が見受けられたのは非常に残念でした。
しかし、これも一つの経験です。朝練から始まる過酷なスケジュールの中、自分たちの未熟さを痛感し、チームのルールや規律を学ぶ。4日間、必死に食らいついていく中で、最終日には少しずつ顔つきが変わっていく様子も見られました。
コーチとして今、最も厳しい言葉を送りたいのが2年生です。
2年生は、先輩も後輩もいる「中間の学年」です。新人でもなければ、メインでもない。モチベーションの維持が最も難しい時期ですが、ここでどう過ごすかが、3年生になった時、あるいは高校進学後の成長を大きく左右します。
今回の合宿を見ていて感じたのは、多くの2年生が「1年生に抜かれないように」という、後ろ向きなプライドで動いていたことです。
意識すべきは、そこではありません。
後輩に抜かれることを恐れるのではなく、「何としても3年生を追い抜き、スタメンや試合のローテーションに食い込んでやる」という野心を持って取り組んでいるか。その差が、練習への姿勢に明確に現れます。
1年生に圧倒的な力の差を見せつけるのは当然のこと。その上で、格上の相手にどうチャレンジしていくか。2年生には、守りに入るのではなく、常に「上」を向いて挑戦し続ける姿勢を強く求めたいと思います。
最上級生である3年生にとって、見据える先は「ジュニアウィンターカップ」という集大成の舞台です。彼らは3年間の経験から、何をすべきかを理解しています。
今回の合宿で彼らに課されたのは「リーダーシップ」でした。
1年生に対してどのように声をかけ、チームの規律を徹底させるか。3年生たちなりに試行錯誤し、後輩を導こうとする姿勢が見られたのは大きな収穫でした。
特に、余裕がなくなりがちな1年生に対し、どのような言葉を選べば伝わるのか。自分たちの練習をこなしながら、チーム全体に目を配ることは決して簡単ではありません。しかし、その苦労こそが彼らを人間として一回り大きく成長させてくれるはずです。
4日間の合宿を終え、選手たちは確かに成長しました。しかし、毎年私が選手たちに伝えていることがあります。
それは、「合宿が終わって、楽しかった、頑張った、で終わらせてしまうのが一番良くない」ということです。
合宿という管理された環境で頑張れるのは当たり前です。本当の勝負は、コーチの目が届かない「日常の生活」に戻ったときに始まります。
合宿で学んだ生活習慣、食事への意識、時間を守る規律。それらを自宅に戻ってからも継続できる選手こそが、本物の「アスリート」へと近づいていきます。
合宿をきっかけに意識を変え、行動を変えられる選手は、残念ながら全体から見れば少数派かもしれません。しかし、その少数派に食い込めるかどうかが、今後の選手としての、そして一人の人間としての分かれ道になります。
ステップアップキャンプで見えた課題を、日々の練習でどう克服していくか。
一回り逞しくなった選手たちが、これからのシーズンでどのような活躍を見せてくれるのか、非常に楽しみにしています。
保護者の皆様におかれましても、引き続き子供たちの「自立」を温かく、時に厳しく見守っていただければ幸いです。
今後とも、応援よろしくお願いいたします!